ヘルマンハープ・梶原千沙都オフィシャルブログ

ヘルマンハープ・梶原千沙都のオフィシャルブログです。ヘルマンハープの音楽事業家として、福祉と音楽をつなぐヘルマンハープでの新しい日独友好の文化交流、そして生涯教育活動をトータルプロデュースしています。

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ヘルマンハープデーという講習会

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日本ヘルマンハープ振興会主催の「ヘルマンハープデー」という1日だけの特別講習会があります。2015年の予定も順次お知らせいたします。
はじめての方のための「ビギナー講習」と経験者のための「奏法講習」があります。
初級者向けの「やさしい奏法講習」を開催することもあります。どなたでも参加できます。
2012年に出版した『ヘルマンハープの奏法〈基礎編〉』(音楽之友社完刊、梶原千沙都著」が浸透してきて、全国からはるばると受講に来られる愛好家が多くなりました。

福岡でのビギナー講習のもようです。まずは教育担当講師がヘルマンハープの説明を。


はじめての方は、とにかく弾いてみましょう。


福岡での奏法講習会のもようです。「もっとうまくなろう!」と集まったみなさんは、本気度満載です。


個別に弾き方のチェックもします。



奏法講習の後は、お疲れ様でしたのカフェトリンケン(ドイツ語でお茶会の意味)で心和むひと時です。全国の知らない町の愛好家どうしが出会える場にもなっています。


奏法講習会には、インストラクターの方が受講生をたくさん引率して参加され、私の直接指導の機会もうまく講義に融合させておられます。実は秘密で、インストラクターのみなさんと”お疲れ様”のお茶会の二次会でリラックスしました!


今年は東京2回、大阪1回、福岡1回のヘルマンハープデー開催でした。
ご参加いただいた皆様の、さらなる演奏力向上とヘルマンハープライフの充実を願っております。
3月東京 奏法講習会ご参加のみなさま(北海道からご参加の方も…)


6月 大阪 奏法講習会ご参加のみなさま (頭を抱えながらも前進あるのみです)


11月 福岡 奏法講習会ご参加のみなさま(屋久島からご参加の方も…)

もみじ祭り in 伽耶院 アンサンブル・シェーネクレンゲ

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昨年秋に、とっても厳かなヘルマンハープコンサートの頼りが届きました!
11月22日に兵庫県三木市で開催された「もみじ祭り奉納コンサート」のもようです。
「もみじに響く美しい音色にのせて」と題して演奏されたのは、神戸の日本ヘルマンハープ振興会登録アンサンブルの「シェーネ・クレンゲ」の皆さんです。

もともと私が神戸日独協会でヘルマンハープ講座を開講していた時の受講生のみなさんとあって、さすがにアンサンブル名もドイツ地込み。「シェーネ・クレンゲ」とは、ドイツ語で「美しい・響き」という意味で、美しい響きをいつも心がけて演奏活動をしておられるそうです。


伽耶院は、大化年間(7世紀半ごろ)、法道仙人が毘沙門天のおつげによって創建したという神秘的なお寺です。この日は国の重要文化財の多宝塔を舞台にして、ヘルマンハープの演奏が行われました。
袈裟のような美しい布をまとい、いでたちも決まっていますね。
《白鳥》 《四季》 《エデンの東》 《故郷の人々》など9曲を演奏されたそうです。
観客のみなさまは、ヘルマンハープで静かな秋を楽しまれたようで、大好評だったそうです。
一度訪ねてみたいと思う、とってもきれいなお寺ですね。

ヘルマンハープの発祥の物語、ドイツでの輝かしい受賞歴

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みなさん、新年おめでとうございます。
お互いに元気でいい年にしましょうね。
2014年をふり返りますと、日本で3000人以上の方がヘルマンハープを愛好しています。
現在、9割以上の愛好者が健常者で、教室で学ぶ人、独学で楽しむ人、さまざまです。
「ヘルマンハープの奏法〈基礎編〉」(2012年音楽之友社刊、梶原千沙都著)という私が開発した体系的な奏法の本が出版されてからは、演奏上の規則性を皆さんが知ることができるようになり、みなさんの演奏は著しく安定しました。
もっといい演奏ができるようになりたいとの想いで、みなさん練習に余念がないという音楽生活がはじまっています。
私は、大阪2回、東京1回、福岡1回とヘルマンハープ初のソロリサイタルを行いました。
詳しくは、ブログの「2014ソロリサイタル」をご覧ください。
このリサイタルでは多くの方に、「ヘルマンハープが誰もが弾ける楽器というだけでなく、芸術的な音楽表現のできる本物の弦楽器であること」を確信していただくことができました。
このことは「知的障がいのある息子に本物の楽器を与えなければならない」と願ったヘルマン氏の想いを受けて、「質の高い楽器」であることを証明したいという私の願いであり、それは、ヘルマンハープを愛好するすべての人の願いだったと思います。
でも、ヘルマンハープが持ってるのは、そのようなプロダクトとしての質の高さだけではありません。開発に籠められた崇高な魂があるのです。
ヘルマンハープ発祥の物語をふり返ってみましょう。

ヘルマンハープはドイツ・バイエルン州の農場主、ヘルマン・フェー氏によって1987年にダウン症の息子のために開発されたドイツ製ハンドメイドの弦楽器です。現在でもヘルマンハープは、ドイツでヨーロッパのバイオリンやチェロを製作する素材で、一台一台熟練した職人の手によって、ハンドメイドで製作されているのです。

ダウン症の息子に「メロディーを自分で演奏することのできる楽器を与えてあげたい」と願っていたヘルマン氏は、ヘルマンハープの楽譜のシステムを考案します。そして、この楽譜を使った演奏システムと、息子の身体の特徴に合った新しい楽器、“ヘルマンハープ”を開発しました。つまりヘルマンハープは、楽器よりも楽譜と演奏のシステムが先に開発されたというわけです。ヘルマン氏と息子のアンドレアスさんが奏でる音色の美しいヘルマンハープの噂は、口コミで、オースリアやスイスへも広がっていきました。障がい者、健常者、音楽経験の有無を越えて、誰もが共に素晴らしい音色で演奏を楽しめる世界が誕生しました。

1995年には、ヘルマン・フェー氏は、ドイツ連邦共和国の大統領から、功労勲章功労メダルを受賞しました。それは、ヘルマン・フェー氏が、ヘルマンハープの開発により、アマチュアの音楽愛好者が、ヘルマンハープで主体的に音楽活動に参画する、より広い音楽への扉を開いたからです。あるいは、障がいのある人や高齢者の方々の音楽活動もその一つです。

1995年ヘルマン・フェー氏功労勲章功労メダルを受賞

また、2011年にはドイツ銀行主催、ドイツ連邦共和国後援の栄誉ある賞、「Deutschland,Land der Idee」(発想の国ドイツ)を文化部門で受賞しました。
Made in Germanyが誇るヘルマンハープの品質の高さ、そして、ヘルマンハープにしかない美しい音質―このことは言うまでもなくこの受賞の前提となっています。


このヘルマンハープ誕生の真実の物語は、世界中の多くの人に生きる勇気を与えています。
私のイベントには、この発祥の物語に感動し、勇気や喜びを与えらえたと言う方も多く来られます。


福岡市で開催した講習会には、生まれて2か月のダウン症の赤ちゃんを抱いて、若いお母さんがやって来られました。その方は、上にある2009年に掲載されたよみうり新聞の記事を見て、「私はこの記事を読んで、やっていける、生きていけると思った」と、私に伝えに来てくださったのでした。ヘルマンハープが障がいのある人のためにもともと誕生し、それが障がい者のみならずすべての人に愛され、認知されている。その事実が、思いもかけず障がいのある子供さんを得て、途方に暮れていた若いママに勇気を奮い起こさせたのでしょう。

誰もが弾くことができ、人の垣根を取り払ってくれるヘルマンハープの「社会性」、そして、素晴らしい音楽表現が可能な「芸術性」。
この二つが溶け合うようなヘルマンハープの音楽文化を築くことができるように、今年も前を向いて進みたいと思っています。
みなさん、今年もどうか応援してくださいね!
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